行政行為の効力の消滅

閲覧数4,209
ダウンロード数10
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    7回:行政行為の効力の消滅
     法律関係そのものではなく、それを作り出した行政行為の効力を消滅させ、元の状態に戻す方法には、取消しと撤回の2つがある。
    ? 行政行為の職権による取消し
    (1)行政行為の取消し:行政行為によって法律関係が形成・消滅したとき、その行政行為に瑕疵があるので、これを取り消すことによって法律関係をもとに戻すことをいう。
     職権取消し:行政行為を行ったのちに、当該行政行為の違法を行政庁が認識して、職権で当該行政行為の効力を失わせること。
     争訟取消し:行政行為によって不利益を受けた者が、行政不服審査法・行政事件訴訟法に基づいて当該行政行為の取消しを求めること。
    (2)職権取消しの主体:当該処分を行った行政庁。
    (3)職権取消しの法的根拠:行政行為に瑕疵があることが前提。
    ・適法性の回復:違法の瑕疵を取り除くことは法律の行政の原理の要請に合致。
    ・合目的性の回復:違法の瑕疵を取り除くことは行政目的に合致する。
    *この2つを実質的根拠にしているので、行政行為の職権取消しには法律の根拠は必要ないと解されている。
    (4)取消しの効果:行政行為の時点にさかのぼって当初から行政行為がなかったものとして取り扱われるべきだが、事業の許認可の場合など授益行政行為は、具体的な事情に応じて考えるべき。(事業の許認可場合、取消しの効果を遡及させると、当初から許可を得ずに事業を行っていたことになってしまい、相手方や利害関係人に対して不足の損害を与える。)
    (5)取消しの制限:
    授益的行政行為 の職権取消し
     取消しが認められるか否かの判断には、法律による行政の原理(法治主義)と相手方の利益・信頼の保護という対立する2つの利益の間の利益調整が必要。
    侵害的行政行為 の職権取消し
     相手方の利益を損なうものではないので、原則として自由とされているが、第三者の利益や公共の利益の見地から、取消しが制限される場合がある。

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    行政法 ④
    7回:行政行為の効力の消滅
     法律関係そのものではなく、それを作り出した行政行為の効力を消滅させ、元の状態に戻す方法には、取消しと撤回の2つがある。
    Ⅰ 行政行為の職権による取消し
    (1)行政行為の取消し:行政行為によって法律関係が形成・消滅したとき、その行政行為に瑕疵があるので、これを取り消すことによって法律関係をもとに戻すことをいう。
          職権取消し:行政行為を行ったのちに、当該行政行為の違法を行政庁が認識して、職権で当該行政行為の効力を失わせること。
          争訟取消し:行政行為によって不利益を受けた者が、行政不服審査法・行政事件訴訟法に基づいて当該行政行為の取消しを求めること。
    (2)職権取消しの主体:当該処分を行った行政庁。
    (3)職権取消しの法的根拠:行政行為に瑕疵があることが前提。
              ・適法性の回復:違法の瑕疵を取り除くことは法律の行政の原理の要請に合致。
              ・合目的性の回復:違法の瑕疵を取り除くことは行政目的に合致する。
     *この2つを実質的根拠にしているので、行政行為の職権取消しには法律の根拠は必要ないと解さ...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。