わが国の児童福祉は、戦災孤児等の要保護児童に対する緊急保護対策として始まり、昭和22年に制定された児童福祉法を中心に進展し、かつては児童の養育は、もっぱら家庭の責任であり、行政は家庭の養育機能が欠落した場合に初めて事後的に責任を負うという形で進められてきた。今日においても、児童の養育責任はその保護者であることに変わりはないが、少子化の急速な進行や女性の社会進出の増大、家庭や地域での子育て機能の低下などが、子育てに対する社会的支援の気運を高めた大きな要因となっている。
今日では、一般の児童・家庭においても、種々の問題を抱えるようになっており、児童家庭福祉施策は、全ての児童の健全育成と家庭やそ...