1.はじめに
シャープといえば、日本有数の大手総合家電メーカーで、その名を知らない人はまずいないほどの大企業である。2004年度3月期の連結決算は、売上高2兆2573億円、経常利益1116億円。今期業績予想は売上高2兆5300億円、経常利益1400億円が見込まれている。2002年度から3期連続で売上高、経常利益ともに2桁成長となる勢いで、同業種と比較しても著しい業績の伸びである。
未だ不況から脱し切れていないここ数年において、なぜシャープはこのように業績を伸ばすことができたのだろうか。本レポートでは、シャープという企業の強さの理由を歴史、経営理念、戦略、ヒット商品の調査から探っていきたいと思う。
2. 本文
シャープの歴史
まずは、シャープの創業から現在に至るまでを年代順に述べていく。
1912年、早川徳次が東京で金属加工業を創業、「徳尾錠」というベルトのバックルの製作販売を開始したのがシャープの起源である。
1915年、金属製繰出鉛筆を発明する。商品名をエバー・レディ・シャープ・ペンシルに変えて販売したところ、これがアメリカで爆発的にヒットした。現在の社名はそこから取られている。
1923年には関東大震災によりシャープペンシル工場を焼失、家族もすべて失い、大阪へ移り再起を図った。1925年に国産第1号の鉱石ラジオをシャープの名前で発売した。
1962年には日本の家電メーカーで初めて電子レンジを発売し、1966年には世界初のターンテーブル方式の電子レンジを開発する。さらに、1964年オールトランジスタダイオードによる電子式卓上計算機(世界初)を開発。その後、カシオ計算機などとの電卓戦争の中で、表示デバイスとしての液晶技術の開発を始め、1973年液晶を表示装置に使ったCOS化電卓(世界初)を開発する。この間、1963年に太陽電池の量産を開始している。
シャープ その強さの理由
はじめに
本文
シャープの歴史
シャープの経営理念
シャープの戦略
▼ 競争戦略
▼ 技術戦略
▼ 組織マネジメントにおける戦略
近年のヒット商品
● 液晶テレビ「アクオス(AQUOS)」
● カメラ付き携帯電話
3.おわりに
1.はじめに
シャープといえば、日本有数の大手総合家電メーカーで、その名を知らない人はまずいないほどの大企業である。2004年度3月期の連結決算は、売上高2兆2573億円、経常利益1116億円。今期業績予想は売上高2兆5300億円、経常利益1400億円が見込まれている。2002年度から3期連続で売上高、経常利益ともに2桁成長となる勢いで、同業種と比較しても著しい業績の伸びである。
未だ不況から脱し切れていないここ数年において、なぜシャープはこのように業績を伸ばすことができたのだろうか。本レポートでは、シャープという企業の強さの理由を歴史、経営理念、戦略、ヒット商品の調査から探っていきたいと思う。
本文
シャープの歴史
まずは、シャープの創業から現在に至るまでを年代順に述べていく。
1912年、早川徳次が東京で金属加工業を創業、「徳尾錠...