日本の畜産物市場は、ウルグアイラウンドの合意決着前に平成3年度より牛肉自由化が実施され、安い輸入牛肉の急増によって、牛肉をはじめとするすべての畜産物価格が暴落を続けている。畜産農家はこうした価格下落のなかで収益性が低下し、豚肉では輸入急増による豚肉価格の暴落で基準価格を下回るという状況になっている。また大規模経営畜産農家でも、負債が固定化してしまいその処分の見通しがつかないためにとりあえず畜産経営を行っているという場合もあり、簡単に廃業をできないという事情もある。このように、輸入畜産物が増加し安い輸入畜産物が増加し畜産物価格が下落している状況に対して畜産農家はどのように対応していくのかについてみていく。
畜産物の国際競争力を強化するためには2つの方法があると考えられる。1つは価格ではなくて品質の改善や付加価値を付けるという方法がある。2つ目は畜産物生産にかかるコストの削減をして輸入畜産物に負けないほどの価格競争力をつける方向を目指すという方法がある。
1つ目の方策は国内畜産物の差別化、付加価値生産をより追求するという方向である。今までも肉畜の高級化やブランドを狙って高級和牛を生産したり、交雑種生産を進めてきたが、今後も品質面での差別化によって競争力を強化していくことが基本的な戦略であり常に生産者もかんがえていることだとかんがえられる。さらに現在盛んに言われている。地産地消を各地域でさらに広げていくことも重要な戦略にできると思う。今の消費者は安い輸入畜産物を求めるという側面はあるが、逆に食品の安全・安心を求めて国内産の畜産物を求めるという面もある。トレーサビリティーシステムなどが広く浸透してきており、食の安全・安心に対する関心が非常に高いことを利用することができる。
畜産経営学レポート ②
3、国際競争力強化(畜産物コストダウン)に対する畜産経営の取り組み方策
日本の畜産物市場は、ウルグアイラウンドの合意決着前に平成3年度より牛肉自由化が実施され、安い輸入牛肉の急増によって、牛肉をはじめとするすべての畜産物価格が暴落を続けている。畜産農家はこうした価格下落のなかで収益性が低下し、豚肉では輸入急増による豚肉価格の暴落で基準価格を下回るという状況になっている。また大規模経営畜産農家でも、負債が固定化してしまいその処分の見通しがつかないためにとりあえず畜産経営を行っているという場合もあり、簡単に廃業をできないという事情もある。このように、輸入畜産物が増加し安い輸入畜産物が増加し畜産物価格が下落している状況に対して畜産農家はどのように対応していくのかについてみていく。
畜産物の国際競争力を強化するためには2つの方法があると考えられる。1つは価格ではなくて品質の改善や付加価値を付けるという方法がある。2つ目は畜産物生産にかかるコストの削減をして輸入畜産物に負けないほどの価格競争力をつける方向を目指すという方法がある。
1つ目の方策は国内畜産物の差別化、付加...