1,目的
錯視とは、視覚による錯覚であり、対象物の大きさや形が実際とは違って知覚されることである。大きさの錯視の代表的なものに、ミュラー・リヤー錯視がある。ミュラー・リヤー錯視とは、実際には斜線の間の線分の長さは同じだが外向きの斜線に挟まれた場合は、内向きの斜線の場合に比べて長く知覚されるというものである。本実験では、ミュラー・リヤーの錯視図を用い、調整法によって錯視量を測定する。
2,方法
<錯視量の定義>
図?では、物理的にはa=bであるのに知覚的にはa<bと見える。もし、逆に知覚的にa=bと見えるように図を描けば、物理的にはa>bとなるであろう。このときの物理的な線分の長さの差、すなわち、a−b=?の値を錯視量と定義する。
<実験手続き>
本実験では、直接?(=錯視量)の値を読み取ることの出来る錯視図計を用いることにする。
被験者は表面を見ながら、図形の左右を手に持って同じ長さに見えるところまで引き伸ばして調節し、実験者は裏面を見て?の値を測る。明らかに短く見える点から徐々に長くして、同じ長さに見えるところまで調整する上昇系列(A)と、逆に明らかに長く見える点から出発して同じ長さに見えるところまで調整する下降系列(D)とがあり、さらに引き伸ばす方向が右(R)からと左(L)からがある。このAとD、RとLの組み合わせ、すなわちAR,AL,DR,DLの4条件についてランダムな順で格4回、計16試行の測定を行う。なお、A,Dいずれの場合にも各試行ごとに、実験者は調整の出発点が一定にならないようにして被験者に手渡す。被験者には自然な態度で図形を観察し、見えるがままの長さを比較して調整するよう、また調整が行きすぎたと思ったら後戻りを繰り返してもよいことを教示する。2,3回練習を行ってから実験を始める。
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心理学実験実習レポート 錯視実験のレポート
1,目的
錯視とは、視覚による錯覚であり、対象物の大きさや形が実際とは違って知覚されることである。
大きさの錯視の代表的なものに、ミュラー・リヤー錯視がある。ミュラー・リヤー錯視とは、実際
には斜線の間の線分の長さは同じだが外向きの斜線に挟まれた場合は、内向きの斜線の場合に比べ
て長く知覚されるというものである。本実験では、ミュラー・リヤーの錯視図を用い、調整法によ
って錯視量を測定する。
2,方法
<錯視量の定義>
<実験手続き>
本実験では、直接Ⅰ(=錯視量)の値を読み取ることの出来る錯視図計を用いることにする。
被験者は表面を見ながら、図形の左右を手に持って同じ長さに見えるところまで引き伸ばして調節
し、実験者は裏面を見てⅠの値を測る。明らかに短く見える点から徐々に長くして、同じ長さに見
えるところまで調整する上昇系列(A)と、逆に明らかに長く見える点から出発して同じ長さに見え
るところまで調整する下降系列(D)とがあり、さらに引き伸ばす方向が右(R)からと左(L)からが
ある。このAとD、RとLの組み合わせ、すなわち...