農業と農村、農地の持つ多面的機能の評価と今後の農業・農地政策の方向づけとの関連のあり方について。

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    資料紹介

     日本とEUでの多面的機能の考え方を振り返り、その上で農業の多面的機能とその効果を発揮するための農業・農地政策の関連についてまとめることにする。
     まず日本の農業の多面的機能について定義やその背景についてみていく。
     農業の多面的機能とは農産物の生産だけではなく、農業の自然循環機能など、農業が国土や社会に対して果たしている役割の事を指している。日本では具体的な機能として、「国土保全」、「水源のかん養」、「自然環境の保全」、「良好な景観の形成」、「文化の伝承」等などをあげている。農業の多面的機能は平成11年7月に施行された食料・農業・農村基本法(以下、新基本法)の基本理念のうちの一つに挙げられている。新基本法では食料の安定供給の確保、農業のもつ多面的機能の十分な発揮、農業の持続的な発展、農村の振興の4つが基本理念として明確にされた。この基本計画に基づき、品目別経営安定対策の導入、中山間地域等直接支払制度の創設等、様々な施策を講じてきた。さらに、食の安全・安心の確保に向け消費者を重視した農政の展開や米政策改革の推進など、改革が進められている。
     しかし、日本の農業・農村の現状をみると、土地利用型農業の構造改革がまだ立ち遅れている状況にある。また、中山間地域問題として農村地域の高齢化、過疎化、混住化等によって集落機能の低下や耕作放棄地の増加といった問題が生じてきている。これは農業の有する多面的機能の発揮ができなくなってきているということができる。
     こうした状況から現在の農政は担い手の創意工夫の促進と構造改革の加速化、農業の有する多面的機能の発揮という観点から「農業環境・資源保全のための政策の確立」を重要課題のひとつとしてあげている。
     次にEUやフランスの農業の多面的機能に対する政策の動向についてみていく。
     まず、EUの農政の動向についてみていく。

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    農業法律レポート        
    E. 農業と農村、農地の持つ多面的機能の評価と今後の農業・農地政策の方向づけとの関連のあり方について。
    日本とEUでの多面的機能の考え方を振り返り、その上で農業の多面的機能とその効果を
    発揮するための農業・農地政策の関連についてまとめることにする。
    まず日本の農業の多面的機能について定義やその背景についてみていく。
    農業の多面的機能とは農産物の生産だけではなく、農業の自然循環機能など、農業が国土や社会に対して果たしている役割の事を指している。日本では具体的な機能として、「国土保全」、「水源のかん養」、「自然環境の保全」、「良好な景観の形成」、「文化の伝承」等などをあげている。農業の多面的機能は平成11年7月に施行された食料・農業・農村基本法(以下、新基本法)の基本理念のうちの一つに挙げられている。新基本法では食料の安定供給の確保、農業のもつ多面的機能の十分な発揮、農業の持続的な発展、農村の振興の4つが基本理念として明確にされた。この基本計画に基づき、品目別経営安定対策の導入、中山間地域等直接支払制度の創設等、様々な施策を講じてきた。さらに、食の安全・安...

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