農業経営基盤強化促進法(1993年)の意義と特徴について

閲覧数3,039
ダウンロード数4
履歴確認

    • ページ数 : 2ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

     新政策(1992年)で「農用地利用増進法」が改正され、「農業経営基盤強化促進法」(以下基盤強化促進法)となった。ここでは、基盤強化促進法の課題と制度的特徴についてまとめ、さらにその後の法改正についてみていく。
     まず基盤強化促進法での制度改正は以下の5つにまとめることができる。それは?構造・経営対策の目的、内容を法律制度上で明確化する、?育成すべき農業者・経営体を特定・明確化する仕組みを整える、?経営体の重要な組織形態として農業生産法人の制度を整備する、?特定の農業者・経営体の規模拡大や経営基盤の強化に向けて農地利用の集積や施策を集中させるため、地域レベルの事業推進体制を再整備する、?農地保有合理化法人の事業を拡充・強化し?の目的に沿うように位置づけなおすということである。
     当時の改正では基盤強化促進法の目的が明確で厳密な形になっている。つまり、「効率的、安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業経営を担う」としそのための施策として「農業経営の改善を計画的に進めようとする農業者(認定農業者)を特定し、こうした者に農地集積、経営管理の合理化などの措置を行う」とした。
     この目的を果たすための推進体制として認定農業者制度が行われた。これは市町村が策定する「基本構想」の目標に沿って「経営改善計画」を提出する農業者を「認定農業者」として認め、その農業者に農地利用の集積など各種政策を実行するというものである。この推進体制は形式的には旧法の延長線上にあるといえるが、実際は認定農業者の経営育成・強化に向けていくという方向であるため非常に明確になっているということができる。こういったことより、93年の改正は旧農業基本法の構造政策の目的を修正しその後の農政の方向を再提示し、さらにその方法も強化したものという意義を持つといえる。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    農業法律レポート        
    C. 農業経営基盤強化促進法(1993年)の意義と特徴について
       -その制定当時から今日的な課題までを見通して-
    新政策(1992年)で「農用地利用増進法」が改正され、「農業経営基盤強化促進法」(以下基盤強化促進法)となった。ここでは、基盤強化促進法の課題と制度的特徴についてまとめ、さらにその後の法改正についてみていく。
    まず基盤強化促進法での制度改正は以下の5つにまとめることができる。それは①構造・経営対策の目的、内容を法律制度上で明確化する、②育成すべき農業者・経営体を特定・明確化する仕組みを整える、③経営体の重要な組織形態として農業生産法人の制度を整備する、④特定の農業者・経営体の規模拡大や経営基盤の強化に向けて農地利用の集積や施策を集中させるため、地域レベルの事業推進体制を再整備する、⑤農地保有合理化法人の事業を拡充・強化し①の目的に沿うように位置づけなおすということである。
    当時の改正では基盤強化促進法の目的が明確で厳密な形になっている。つまり、「効率的、安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業経営を担う」としそのための施策として「...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。