<目的>
河内(1967)によると皮膚電気反射、すなわちGSRは強い刺激や精神活動に伴い皮膚に一時的に生じる電気的変化である。人間の皮膚には普通電気的な抵抗があり、発汗などの皮膚状態の変化によって微細な変化を続けている。人間の発汗は気温の上昇などによる温熱性発汗と精神的な要因のよる精神性発汗に大別されるのだが、本実験では精神性発汗を促す刺激後を提示することによる皮膚の電気抵抗の変化の様子を調べることを目的とした。精神性発汗は手掌部や足の裏で顕著に観察出来て、刺激が与えられると数秒の潜伏期をおいて一時的に皮膚抵抗値が低下していき間もなく元の値に近いレベルに戻っていく。このことを繰り返しながら私たちの皮膚は無意識のうちに抵抗を微細に変化させ続けているのである。
加藤・大久保(1999)は発汗により皮膚の抵抗に変化が生じるメカニズムを以下のような言葉で説明している。すなわち大脳が刺激を受けて興奮すると、視床下部にある交換神経中枢が反応し汗腺の興奮・細胞膜の脱分極化による発汗反射によって皮膚の抵抗値が低下するのである。しかしながらGSRは汗と直接の関係があるわけではなく、汗が皮膚を濡らしたことによって抵抗が変化したのでは無いことを前提に実験をすすめていきたい。これは発汗よりもGSRのほうが時間的に先行するという事実からも理解することが出来るであろう。
また八木(1967)によるとGSRは当初は精神電気反射と呼ばれたこともあるが、大脳皮質を除去してもなお反射が現れることが明らかとなり、精神活動のとの関係が拒否されたので、現在では皮膚電気反射という言葉で一般に知られている。その応用は臨床医学の分野では交感神経外科領域での診断法として用いられ、実験心理学分野では条件反射の研究などに用いられている。広域で捉えれば「うそ発見器」も皮膚電気反射の応用の一例であるといえる。
GSRの測定と言語反応
<目的>
河内(1967)によると皮膚電気反射、すなわちGSRは強い刺激や精神活動に伴い皮膚に一時的に生じる電気的変化である。人間の皮膚には普通電気的な抵抗があり、発汗などの皮膚状態の変化によって微細な変化を続けている。人間の発汗は気温の上昇などによる温熱性発汗と精神的な要因のよる精神性発汗に大別されるのだが、本実験では精神性発汗を促す刺激後を提示することによる皮膚の電気抵抗の変化の様子を調べることを目的とした。精神性発汗は手掌部や足の裏で顕著に観察出来て、刺激が与えられると数秒の潜伏期をおいて一時的に皮膚抵抗値が低下していき間もなく元の値に近いレベルに戻っていく。このことを繰り返しながら私たちの皮膚は無意識のうちに抵抗を微細に変化させ続けているのである。
加藤・大久保(1999)は発汗により皮膚の抵抗に変化が生じるメカニズムを以下のような言葉で説明している。すなわち大脳が刺激を受けて興奮すると、視床下部にある交換神経中枢が反応し汗腺の興奮・細胞膜の脱分極化による発汗反射によって皮膚の抵抗値が低下するのである。しかしながらGSRは汗と直接の関係があるわけ...