? はじめに
初めて大阪を訪れた人は、梅田や難波の地下街の巨大さ、複雑さに戸惑うことが多い。何度も訪れた人でさえ、迷うことが少なくない。
私は、大都市における地下街というものは、メガモールを超えた機能を持つ施設であると考える。本稿ではまず、?章においてその考えの理由を述べ、?章では地下街の役割と機能について、?、?章では地下街と人々の結びつきについて論じている。
? 消費文化により生み出される地下街
私は現代の消費文化が生み出すものには「便利さ」を追求したものが多いと思う。それは、建物から生活用品まで様々であるが、日本の大都市に多い地下街も同様の理由により生み出されたものであると考える。この地下街は、メガモール(ショッピングモール)と同様の機能を持つ施設であると考える。その理由として、まずメガモールの特徴を上げる。
メガモールの特徴
? 歩行者通路、広場、小売店、デパート、飲食店、ファーストフード、娯楽施設、駐車場などからなる複合的でモザイク的な施設
? 景観、資本、集客力の巨大さ
? 擬似自然
? 商品の教養化
日本の大都市にある地下街は上記の四つの条件を全て満たしているものが多い。例えば、我々の生活に身近な大阪梅田の地下街で考えてみると、?は明らかに満たし、?もその規模、集客力の大きさは全国有数であることから満たしていると考えられる。また?についても、阪急三番街には噴水もあり、堂島地下センターとホワイティうめだの間には滝もあることからやはり満たしている。?は全ての地下街が満たしている。地下街の登場により、人々の生活は大きな変化を迎えた。即ち、買い物をする場所は商店街や市場から地下街やそれと結ばれた百貨店・大規模なスーパーに変わり、移動手段として歩道から快適な地下街を選ぶ人が多くなった。ここで地下街の定義について述べる。
都市における地下街の意味
Ⅰ はじめに
Ⅱ 消費文化により生み出される地下街
Ⅲ 地下街の社会的機能
Ⅳ 地下街での人々の行動
Ⅴ 地下街が日常生活にもたらすもの
Ⅵ おわりに
Ⅰ はじめに
初めて大阪を訪れた人は、梅田や難波の地下街の巨大さ、複雑さに戸惑うことが多い。何度も訪れた人でさえ、迷うことが少なくない。
私は、大都市における地下街というものは、メガモールを超えた機能を持つ施設であると考える。本稿ではまず、Ⅱ章においてその考えの理由を述べ、Ⅲ章では地下街の役割と機能について、Ⅳ、Ⅴ章では地下街と人々の結びつきについて論じている。
Ⅱ 消費文化により生み出される地下街
私は現代の消費文化が生み出すものには「便利さ」を追求したものが多いと思う。それは、建物から生活用品まで様々であるが、日本の大都市に多い地下街も同様の理由により生み出されたものであると考える。この地下街は、メガモール(ショッピングモール)と同様の機能を持つ施設であると考える。その理由として、まずメガモールの特徴を上げる。
メガモールの特徴
歩行者通路、広場、小売店、デパート、飲食店、ファーストフー...