民法総合・事例演習 《債権譲渡》 答案構成
(1)Xは、Y1にα債権の支払いを求めることができるか。
1.XがY1に対して債務の履行を請求するためには、請求原因として、①譲受債権の発生原因事実②債権の取得原因事実を立証する必要がある。
2.将来債権の譲渡について
②について本件においてXはAから、Aが2007年4月3日「以後3年間に結ぶ請負契約上の報酬債権をすべて」の譲渡を受けている。しかし、①については、AY1間で請負契約が締結されているが、弁済期はいまだ到来しておらず、報酬請求権は発生していない。しかし、このような将来債権の譲渡も、譲渡の目的とされる債権が、その発生原因や譲渡に係わる額などをもって特定され、将来の一定期間内に発生し、又は弁済期が到来する幾つかの債権を譲渡の目的とする場合には、右期間の始期と終期を明確にするなどして特定されている限り有効であると解される(百選Ⅱ28事件)。
また、債権譲渡は準物権行為であり、原因行為からの独自性は否定されるので、債権譲渡の原因事実を立証する必要があり、AX間で金銭消費貸借契約が結ばれており、その債務を担保するためAの将来取得する債権をX...