年金スポンサーの主要な政策の一つは資産の運用政策であり、運用政策の如何は資産配分とともに運用を委託する運用機関の選択ないし運用機関の構成の巧拙に密接に関わっている。以下では、私が運用機関の選択にあたって留意する点を二点にわたって述べることにしたい。
第一は、運用機関の能力(スキル)である。というのも、言うまでも無く資産運用の目的は自身の資産の拡大を目的とするからである。
運用機関の能力の評価にあたっては、短期的な運用成績を規定する市場でのスタイル選好および市場のノイズと、運用機関本来の運用能力を区別することが必要であると思われる。すなわち、市場における資産運用においては個々の短期的な局面における諸事情(とりわけ市場におけるノイズの影響)によって、実際の運用成果が運用機関本来の運用能力を大きくかけ離れる場合があるからである。
こうした短期的な諸要素を考慮に入れた上で、本来の運用能力を測定するためには、第一に個々の銘柄の予測能力と、第二にポートフォリオの構築能力を分析的に評価することが必要である。
資産運用機関の選択基準:年金基金を中心に
年金スポンサーの主要な政策の一つは資産の運用政策であり、運用政策の如何は資産配分とともに運用を委託する運用機関の選択ないし運用機関の構成の巧拙に密接に関わっている。以下では、私が運用機関の選択にあたって留意する点を二点にわたって述べることにしたい。
第一は、運用機関の能力(スキル)である。というのも、言うまでも無く資産運用の目的は自身の資産の拡大を目的とするからである。
運用機関の能力の評価にあたっては、短期的な運用成績を規定する市場でのスタイル選好および市場のノイズと、運用機関本来の運用能力を区別することが必要であると思われる。すなわち、市場にお...