? 最初に
質問。あなたは国のために生命を捨ててまで戦えるか。
答え。とてもではないが、出来ない。
もしこの様な質問をされたら、私はこう答えるだろう。アクション漫画やアニメなどでたまに「生命を捨てて戦う」という台詞を見かけるが、それはあくまでも作られた物語上での空想に過ぎない。実際に行動として起こせる人など皆無であろう。「出来る」という人も中には居るかもしれないが、それは「出来る気がする」と錯覚しているのだ。私は生まれてから一度たりとも、戦争という特殊な状況に置かれた経験がない。かつて日本が経験した太平洋戦争も、もはや終戦から50年以上もの歳月が過ぎ去っており、私に限らず戦後生まれ、特に若い世代にとっては本や映像から伝わってくる過去の出来事、という認識しか持っていないのがごく一般的であろう。
だが戦争は確かにあったのだ。私と同年代、さらにそれ以下のまさに少年とも呼べる者たちが、青春を謳歌すべき時期にその生命を国のために捧げて戦ったのである。そして冒頭の質問を実際に実行した若きパイロット達がいた。
神風特攻隊である。
? 特攻隊の発祥
この戦争は、勝つ要素が素人目にもほとんど無かった。日本とアメリカの国力の差は圧倒的であった。日本は最初こそは真珠湾攻撃を成功させ、東南アジアを支配圏とするも、その後物量で押され、ずるずると敗退の道を辿る事となる。日本の大和精神の力がアメリカの科学技術の力に敗れたのである。
昭和19年。この頃になるとパイロットの質の低下、戦闘航空機の不足という問題が深刻化してきていた。その1つの要因は、ミッドウェー海戦の大敗を発端に、ガダルカナル、ラバウルなどの消耗戦を強いられ、日本軍の誇るベテランパイロット達が次々と戦死していった事である。それ故、新人の年端もいかないパイロットが配属されていったのである。もう1つの要因としては、戦闘航空機にある。
Ⅰ 最初に
質問。あなたは国のために生命を捨ててまで戦えるか。
答え。とてもではないが、出来ない。
もしこの様な質問をされたら、私はこう答えるだろう。アクション漫画やアニメなどでたまに「生命を捨てて戦う」という台詞を見かけるが、それはあくまでも作られた物語上での空想に過ぎない。実際に行動として起こせる人など皆無であろう。「出来る」という人も中には居るかもしれないが、それは「出来る気がする」と錯覚しているのだ。私は生まれてから一度たりとも、戦争という特殊な状況に置かれた経験がない。かつて日本が経験した太平洋戦争も、もはや終戦から50年以上もの歳月が過ぎ去っており、私に限らず戦後生まれ、特に若い世代にとっては本や映像から伝わってくる過去の出来事、という認識しか持っていないのがごく一般的であろう。
だが戦争は確かにあったのだ。私と同年代、さらにそれ以下のまさに少年とも呼べる者たちが、青春を謳歌すべき時期にその生命を国のために捧げて戦ったのである。そして冒頭の質問を実際に実行した若きパイロット達がいた。
神風特攻隊である。
Ⅱ 特攻隊の発祥
この戦争は、勝つ要素が素人目にもほとんど無かった。...