日本語史1_ハ行音と仮名遣い

閲覧数6,956
ダウンロード数18
履歴確認

    • ページ数 : 4ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

     日本語教師として知っておくべき知識は、子音の清濁の対立は無声音と有声音が原則であるがハ行音とバ行音は対立せず、それはハ行音の歴史によるものであることと、表音文字である仮名に実際の発音と表記が一部対応しないことの理由である。これらのことをケース4とケース7から学んだ。
       ケース4 まとめ
     ハ行音がワ行音化することをハ行転呼と言うが、平安末期から語中語尾にハ行音を持つ語にこの現象が目立つようになり、中世前期以後一般的になった。この現象と前後してワ行音の「ヰ」「ヱ」「ヲ」がア行音の「イ」「エ」「オ」と同一化するようにもなった。中世末期のハ行音は「ファ、フィ、フ、フェ、フォ」と発音されていたと考えられ、このファ行音が江戸期にハ行音となった。この現象の流れは唇の緊張が徐々に緩んでいく唇音退化によるものである。つまり語中語尾の両唇摩擦音〔φ〕はハ行転呼によりやや唇を緩める〔w〕になり、語頭の〔φ〕は唇を使わない声門摩擦音〔h〕に変化したのである。ところが現代語の「母」は「ハハ」と発音する。これはハ行転呼により一度「ファファ」から「ファワ」に変化したが、「ぢぢ」「ばば」と「ちち」「はは」とい...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。