『ロスト・イン・トランスレーション』
他者の表象について
『ロスト・イン・トランスレーション』
他者の表象について
舞台は日本
二人の西洋人によるラブ・ストーリー、舞台は日本。しかしなぜ日本なのか。日本である必要があったのであろうか。日本人に対しては、一体どのようなメッセージが込められていたのか。
あまりにも生活感のない東京の姿、現代の東京の一面であることは確かである。人種・文化・宗教から街並み、景色まで、とりわけ西洋人にとっては全てがエキゾチックで魅力的だったに違いない。日本は政治的にも経済的にも西洋(この場合、アメリカ)に近い。内面的な考え・信条、生活水準などは近いがルックスが違う。主人公である西洋人を際立たせるには調度良かったのかもしれない。そんな違いのわかりやすい日本だから選ばれたのだろう。
話が進むにつれ、主人公たちはいろいろな場所へ行き、東京をはじめ日本各地の様々な有名な場所が登場するが、私にはいまいち舞台が日本である別の理由が最後までわからなかった。監督の恣意的な部分が大きいなら、それは窺い知るのは困難...