地球環境問題における日本の役割
○はじめに
ここ数年で、環境問題がメディアでも頻繁に取り上げられるようになった。「エコ」という言葉はもはや流行語のようだ。そして今月7日から9日までここ日本でG8北海道洞爺湖サミットが開催されたが、ここでの主要テーマも「地球温暖化」である。私は先日まで、G8サミットに向けての国際学生フォーラムのスタッフを務めていたが、環境問題について、とりわけ排出権取引について学ぶ機会があり興味関心を持った。
本稿では、京都議定書をもとに、現状の問題点とそれに対する日本の役割について洞爺湖サミットに触れながらみていく。
○京都議定書発効について
まず、「京都議定書」が発効されるまでについて簡単にみていく。1995年4月、気候変動枠組条約第一回締約国会議(COP1 )がドイツで開催された。ここでは、1997年に開催するCOP3にて2000年以降の温暖化ガス排出量削減の数値目標を先進国のみに課すことを盛り込むという採択がなされた。このとき、途上国に対する義務は課さないことも決定した。これをベルリン・マンデートと呼ぶ。また1997年7月アメリカは、アメリカ経済に悪影響を及ぼす...