刑事訴訟法 訴因・被告人特定

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    資料紹介

    設問
     宗教法人A寺の住職で責任役人である甲は、平成10年1月10日、宗教法人法及びA寺規則の定める手続をとらずに、業務上占有するA寺所有の土地1筆につき、甲が経営するB商事株式会社を債務者とする債権額1億5000円の抵当権を設定してその旨の登記を了した。さらに、平成14年9月10日、父親で代表役員の乙らと共謀して、前同様、所定の手続をとらずに、前記土地1筆を代金2億円にてC商事株式会社に売却し、即日その所有権移転登記を了した。
    問1 検察官は、平成17年11月時点において、前記売却行為のみを訴因として起訴できるか。また、弁護人は抵当権設定を理由として前記訴因を争うことができるか。
    問2 第一回公判には、甲の双子の弟丙が甲に成りすまして出頭し、人定質問にも自ら甲である旨を答えた。既に証拠調べに入っていた第3回公判に至り、裁判所は、丙が身代わりであることに気づいた。裁判所のとるべき措置如何。
    第一 問1前段
    1 検察官は、甲による土地売却行為を訴因として起訴できるか。
     本問では、平成10年1月10日、甲が業務上占有するA寺所有の土地1筆(以下、本件土地)につきB商事株式会社を債務者とする債務額1億5000円の抵当権を設定し、その旨の登記をした行為(以下、抵当権設定行為)と、平成14年9月10日、乙らとの共謀の上本件土地を代金2億円でC商事株式会社に売却し、その所有権移転登記をした行為(以下、土地売却行為)について、甲の罪責が問われている。この点、抵当権設定行為も土地売却行為も、甲が本件土地につき業務上占有していたこと、宗教法人及びA寺規則の定める手続を執らなかったことから、業務上横領罪(刑法253条)にあたる行為である。ただ、抵当権設定行為は時効にかかっている(250条4号)。また、両者の関係について、後者は不可罰的事後行為となるが故に罰することにはならないと考えられている。

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    刑事法総合演習Ⅲ(刑事訴訟法)
    設問
     宗教法人A寺の住職で責任役人である甲は、平成10年1月10日、宗教法人法及びA寺規則の定める手続をとらずに、業務上占有するA寺所有の土地1筆につき、甲が経営するB商事株式会社を債務者とする債権額1億5000円の抵当権を設定してその旨の登記を了した。さらに、平成14年9月10日、父親で代表役員の乙らと共謀して、前同様、所定の手続をとらずに、前記土地1筆を代金2億円にてC商事株式会社に売却し、即日その所有権移転登記を了した。
     問1 検察官は、平成17年11月時点において、前記売却行為のみを訴因として起訴できるか。また、弁護人は抵当権設定を理由として前記訴因を争うことができるか。
     問2 第一回公判には、甲の双子の弟丙が甲に成りすまして出頭し、人定質問にも自ら甲である旨を答えた。既に証拠調べに入っていた第3回公判に至り、裁判所は、丙が身代わりであることに気づいた。裁判所のとるべき措置如何。
    第一 問1前段
    1 検察官は、甲による土地売却行為を訴因として起訴できるか。
    本問では、平成10年1月10日、甲が業務上占有するA寺所有の土地1筆(以下、本件土地...

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