はじめに
新年を迎え、今年も我が家では家族や親戚一同と共に、皆で三箇日を過ごした。私にとって正月の楽しみといえば、お年玉ももちろんだがやはり祖母や母の手作りの雑煮や餅、新潟の郷土料理であるのっぺ(のっぺい汁)が一番である。雑煮は正月に食べる伝統的な日本料理の一つだ。現在でも、沖縄を除く日本各地で年頭に雑煮を食べる風習がある。しかし雑煮には決まった形式がなく、地方や家々でその汁やだし、具材はさまざまである。また、雑煮には餅を入れるのがほとんどで、その形にも地域差がある。今回のレポートでは、こんな身近にあって興味深い日本料理である「雑煮」について論じたいと思う。
雑煮の概略
『日本民俗大辞典』の定義では、雑煮とは「正月三箇日に食べる餅入りの羹(あつもの)」である。羹とは汁物などの熱い料理の古称である。
正月元日の祝いは奈良時代から宮廷の公式行事になったとされているが、現在のように正月に雑煮を作って祝うという風習は、室町時代からのことである。武士社会の献立を庶民が見習ったとされている。それ以前にも雑煮はあったが、とくに正月の食べ物だったわけではなく、祝いの席や将軍の酒肴として食されていた。
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