働くことの意義とニート、フリーター対策
1
働くこととは
わが国では戦後、朝鮮特需を機に急速に経済が発展し、東洋の奇跡とまで言われた高度経済成長期が
続いた。その後もバブル景気崩壊まで安定成長を続けてきた。このような好景気を生み出し、そして持
続させてきた背景には世界各国からエコノミックアニマルとまで皮肉られた労働者の苦労がある。 現
在の日本のイメージを作り上げたその世代の労働観というものは、無論、
「一生懸命働くことこそが美徳
である」というものである。しかし、その考えを保持してきた結果、80年代からは英語にもなった「過
労死」が激増し、労働関連法も労働者の人権に配慮するという傾向があった。そして、こうした長時間
労働や過酷な労働はよくないといった風潮の中で育ってきた世代が、現在の20代から30代前半にあ
たる。
したがって、極端に分類すると、現在の40代以降の世代は働くことこそ美徳であると考える人が多
く、他方、20~30代の世代は、働くことだけが人生でなく、人生というものは楽しむものであると
考える傾向にある。そして、現在、40代以降の上司の下に入社した20代の新入社員が...