2.予防原則・国際協定での使用例(重要なもの)
・北海保全のための閣僚宣言
政府は有害物質による被害の可能性を避けるために
予防原則(汚染物質の排出とその影響の因果関係に科学的な根拠がない場合でも)を採用すべきである。
・リオアジェンダ21
重大なあるいは不可逆の損害の脅威がある場合には、
科学的な知見が十分でないことをもって、
環境悪化を防止する費用効率的な対策を延期すべきではない。
・ウィングスプレッド宣言
ある活動が人の健康や環境を脅かすとき、
原因と影響の関係が科学的に十分に解明されていない場合でも予防施策がとられるべきである。この意味では活動提案者(開発者)が立証責任を負うべきである。
予防原則の適用プロセスは公開され、通知され、民主的であり、かつ影響を受ける
可能性のある関係者はそのプロセスに含まれるべきである。
また、活動(開発)なしも含めたすべての代替案について検討をすべきである。
3. 国際協定における使用例の特徴
単純で抽象的
加盟国の規制政策の温度差を反映
多国間の政治的妥協の産物
西ドイツの‘vorsorgeprinzip’の言葉がきっかけ
・1980年代の初めに、酸性雨、北海の海洋汚染等に厳格な規制政策を採用する際に使用
・統一ドイツが、欧州共同体推進の主要な原動力と
なるにつれて、EUの環境政策の原則として浸透
4. 使用例における「予防原則の内容」の変遷
・北海保全のための閣僚宣言 (有害化学物質による越境汚染の、予防原則)
・国際間の法的な原則が主
・英国政府は「リスク回避の費用と便益のバランス」という条件付け
・リオアジェンダ21
・予防政策の費用の効率性への関心が追加
(主に米国政府による)
グローバル・リスク管理と 予防原則
05/05/10食糧環境政策
本日の発表内容
1.予防原則・慣習的定義
2.予防原則・ 国際協定での使用例
3. 国際協定における使用例の特徴
4.使用例における「予防原則の内容」の変遷
5.予防原則を構成する中核的思考と
その課題
6.リスク管理戦略の
類型化
7.リスクのガバナンス
8.リスク判定における
不確実性の伝達の試み
9.リスク社会に対応する
社会的基盤の整備
科学的不確実さ
→政策的意思決定に
どう影響?
ウィングスプレッド
宣言グループの
批判
リスクの「判定」
プロセスが鍵
・多元的考察
・リスクコミュニケーション
不可逆性
蓄積性
非選択性
新しいタイプの環境・技術リスク
利害関係者が多岐に渡る
・・・現世代のリスクマネジメントの限界
(世代間、空間、生物間)
(↑古典的な災害や健康への被害を想定)
予防原則(Pricautionary Principle)
現実の環境問題への解決策としての予防原則
国際協定や条約の中で、定義される。
定義;
リスクの原因や源と、人の健康、安全、環境への
望ましくない結果の間の因...