要介護者に関わる福祉職の心理的相互サポートについて-精神保健福祉士の倫理的ジレンマとは-
要介護者が在宅で生活を送るためには,社会福祉士や,介護福祉士他多くの福祉専門職が関わり,密に連携をとりながら援助活動を進めなければならない。そしてそれらの専門職はそれぞれに守るべき倫理綱領を持ち,互いに他の専門職を尊敬している。その中でも特に精神保健福祉士は倫理的なジレンマを生じやすい職種であると考える。同じ専門職であり互いに相手を理解することで,より連携が深まるため,精神保健福祉士の立場から,問題を提起し他の専門職の理解を得たいと考える。
精神保健福祉士法によると,その業務と役割りについて「精神保健福祉士は,医療的なケア以外の視点から,精神障害者の社会復帰を支援する役割りを担うものであり,その業務の主たる対象は,医療的なケアを必要とする精神症状が安定していない者」と定義している。ここで言う「医療的なケア以外の視点」とは何を意味しているのであろうか。それは「社会福祉の視点」を意味していると考えられる。すなわち精神保健福祉士は常に対象者を社会福祉の視...