外国人Aは覚醒剤を所持していたが、覚醒剤であることの認識がなかった。Aの罪責はどうか。
原則 覚醒剤であるという認識が必要
一 対象物が確定的なものとして認識される必要はない
法規制の対象とされている違法な薬物として、覚醒剤を含む数種の薬物を認識予見したが、特定した薬物として認識していない場合は概括的認識予見(概括的故意)があれば足りる。
二 概括的故意の成立要件
抽象的に漠然と認識しているのではなく
?法規制の対象となっている具体的な違法有害な薬物の認識予見
?その薬物類の中に覚醒剤が含まれていることの認識
が必要となる。
外国人Aは概括的故意があったといえるのか?
1)運ぶ経緯や運搬方法からそれが何であるかの興味があり、知りえた。
クリスタルという言葉。メタフェタミン=クリスタル、スピード、メス、クラック
2)高校での教育による知識→覚醒剤は違法な薬物である。
→概括的故意があったといえる
刑法演習
問題1 外国人Aは覚醒剤を所持していたが、覚醒剤であることの認識がなかった。Aの罪責はどうか。
問題提起 覚醒剤輸入罪の故意がAに認められるか。
問題点 Aは覚醒剤としての認識がない。輸入剤及び所持罪に「覚醒剤である」という認識が必要かどうか。
38条1項 罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
「罪を犯す意思」= 故意:犯罪事実を認識し認容すること
原則 覚醒剤であるという認識が必要
一 対象物が確定的なものとして認識される必要はない
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法規制の対象とされている違法な薬物として、覚醒剤を含む数種の薬物を認識予見したが、特定した...