生徒指導とは、児童生徒の心身の健全な発達、個性の伸長、コミュニケーション能力や互助互恵の精神といった社会的能力の育成のため教師が行う指導を総合して指す言葉である。教科による指導とは異なり、学習指導要領に指導目標が明確に示されていないが、学校教育全体を考えた際に生徒指導の占める重要度は高い。生徒指導では対象となる児童生徒個々の個性を重視し、どのような方法での指導が最も効果的かを考慮する必要がある。そのため日頃からの生徒観察は教師の重要な役割のひとつである。生徒指導での目標の主となるものとしては自己指導育成の補助が挙げられよう。自ら目標を設定し、達成までの道筋を決めていく中で、困難や障害に正面から取り組み、適切な手段を用いて解決する力を養わせることが最終的な生徒指導の目標と言えよう。そのために児童生徒個々の成育歴やその環境を考慮しながら、長期的視点に立って行われるべきである。全人格的なバランスの取れた個性の伸長、その上で、他者との協調性やあらゆる角度からの思考や場面に応じた適応性の指導にあたる必要がある。これらが生徒指導の意義にあたるものである。
また、並行して進路指導についても考えな...