株式会社とは、社会に散在する大衆資本を結集し、大規模経営をなすことを目的とするものである。かかる目的を達成するためには、多数の者が容易に出資し参加できる体制が必要である。
そこで会社法は、株式制度(旧200条以下/新104条以下)を採用し、出資口を小さくできるようにした。また、社員(出資者)の責任を間接有限責任(旧200条1項/新104条)とし、社員は出資の限度でしか責任を負わないようにした。
かかる間接有限責任の下、会社債権者の唯一の引当てとなるものは会社財産であるから、会社債権者保護のために、会社に一定額以上の財産が確保されていることが必要である。そこで、会社法は資
本制度を設けている。
株式会社における資本の三原則とはどういうものか。また、それは会社法上どのように具体化されてい
るか。
一 株式会社とは、社会に散在する大衆資本を結集し、大規模経営をなすことを目的とするものである。
かかる目的を達成するためには、多数の者が容易に出資し参加できる体制が必要である。
そこで会社法は、株式制度(旧200条以下/新104条以下)を採用し、出資口を小さくできる
ようにした。また、社員(出資者)の責任を間接有限責任(旧200条1項/新104条)とし、社
員は出資の限度でしか責任を負わないようにした。
かかる間接有限責任の下、会社債権者の唯一の引当てとなるものは会社財産であるから、会社債権
者保護のために、会社に一定額以上の財産が確保されていることが必要である。そこで、会社法は資
本制度を設けている。
二 資本の会社財産確保機能は、資本三原則(①資本充実・維持の原則、②資本不変の原則、③資本確
定の原則)によって具体化される。
①資本充実・維持の原則について
(1)資本充実の原則とは、出資は現実に履行されなければならないという原則である。かかる原
則は設立および新株発行の...