感染症の予防について

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    感染症の予防について
    1. 感染症とは
     感染症は、病原体の侵入によって引き起こされた病態の総称である。病原体としては細菌やウイルスといった微生物が主要であるが、より高度な生物である寄生虫、非生物であるプリオンタンパク質も含まれる。
     かつての医療は感染症との闘いといっても過言ではなかったが、化学療法剤の発達により致命率が減少したため、医療の中心ではなくなって来ている。しかし、科学が進歩したが故の新たな問題も浮上してきている。
     例えば感染症で人が簡単に死ななくなってきたからこそ、高齢化が進んで死因が生活習慣病に変わったと考えられる。高齢者や慢性病を抱えた患者の増加は生体防御機能が極端に低下している者の増加を呼び、日和見感染(健常者であるなら問題とならないような病原体による感染症)という問題を引き起こした。
     また、安易に化学療法剤に頼りすぎたが故に発生したと考えられているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)といった耐性菌も問題である。特に日和見感染を起こすような患者が感染を起こした場合には化学療法剤による治療に頼らざるを得ないため命に関わる場合もある。
     かつて我が国の死因の1位...

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