タンパク質の一次構造の決定
1.タンパク質の一次構造決定法の概要
タンパク質の一次構造の決定法についてその概要をまとめる。まず、粗タンパク質をクロマトグラフィーで精製し、シスチンとシステインは誘導体にして安定化して、酵素と化学試薬による断片化(ペプチド結合の加水分解)を行う。断片化されたペプチド混合物をクロマトグラフィーで分画し、単鎖の精製ペプチドを得る。このアミノ酸組成(種類と量)、断片ペプチドの質量分析とエドマン法などの反応を用いたシークエンサーの結果から、配列順序を決定する。さらに、配列順序を決定するタンパク質について、断片化を最初と異なるペプチド結合の部位で行い、分画後、前回と同様にアミノ酸組成、断片の質量と配列順序を決定し、最初の結果と合わせて完全な一次構造を決定する。
タンパク質の一次構造決定法のおおまかな流れを以下に示す。
粗タンパク質 N末端領域の部分一次構造
HPLC, アフィニティークロマトグラフィー
精製タンパク質
S-カルボキシ...