1.はじめに
1980年のWHO総会において国際疾病分類の補助分類としてICIDHが発表されたが日本では1985年にWHO国際障害分類試案(仮訳)として発行された。それが日本では、「国際障害分類」として専門家や関係者に定着した。そのためICFは2001年からの保健・医療・福祉サービスの専門家により仮訳ができた。そして、仮訳は、障害や疾病を持つ人自身やその家族を初め、あらゆる分野の誰にでも共通言語として活用できるように、様々な団体や都道府県に対して意見聴取が行なわれ、それに基づき2002年8月に「国際生活機能分類」として発行されたものである。そのため、ICIDHとICFは本質的に異なるものとなったのである。
2.ICIDHとICFの違い
ICIDHは障害は個人の『疾患の帰結(異常)』であり、障害を治療により治すという考え方で社会への適応としてリハビリテーションや保険・福祉の充実が重要であるという医学モデルと、障害は個性であり、社会側の改善と人権問題の解決であるという社会モデルとしての捉え方が強かった。つまり、障害をマイナスイメージとして、その障害をなくすためには、個人の影響力が関係しており、その障害を治していく、いかにマイナス面を補うか、というものであった。そのため、障害は疾病または変調により、機能障害が起こり、それにより、歩くことができないなどの能力障害が起こる。またそれが原因となり、外出できないなどといった社会的不利が起こるとした。
「1980年のICIDHと2001年のICFの 相違点を障害の概念を中心に簡潔に述べなさい。」
1.はじめに
1980年のWHO総会において国際疾病分類の補助分類としてICIDHが発表されたが日本では1985年にWHO国際障害分類試案(仮訳)として発行された。それが日本では、「国際障害分類」として専門家や関係者に定着した。そのためICFは2001年からの保健・医療・福祉サービスの専門家により仮訳ができた。そして、仮訳は、障害や疾病を持つ人自身やその家族を初め、あらゆる分野の誰にでも共通言語として活用できるように、様々な団体や都道府県に対して意見聴取が行なわれ、それに基づき2002年8月に「国...