絶対反応速度論

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    絶対反応速度論
    1.アイリングの式
     AとBの反応ではまず活性錯合体 C‡ができ、それが1分子的に分解して速度定数k‡で生成物Pになる。
    A + B C‡ P
    v = k‡[C‡]
    活性錯合体の濃度を原系との熱的平衡を仮定すると、
    [C‡] = K‡[A][B]
    となる。従って、(2)式は
    v = k2[A][B] k2 = k‡K‡
    となる。
    2. k‡についての考察
     反応座標の方向での振動類似の運動が振動数νで起こるとすると、活性錯合体を作る原子の塊が遷移状態に接近する頻度もνである。ただし、反応系によっては、遷移状態から生成系の谷に入った錯合体が逆戻りすることがあるので、遷移状態を通過すれば必ず生成物を与える確率をκとして、
    k‡ = κν
    と書ける。κは透過係数と呼ばれる。ふつうは1である仮定する 。
    3. K‡についての考察
     (1)式での前駆平衡は、
    A + B C‡
    である。この反応のギブズエネルギー変化は、
    と書け、またギブズエネルギーは分配関数q を用いて、
    と書けるので、(7)式は
    と変形できる。また、第1項はT = 0における反応内部エネルギーであり、まとめて ...

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