食料政策
【現状】
食料の確保は、国家存立の重要な柱の一つである。現在我が国はカロリーベース換算で61%の食料を海外からの輸入に依存している。食料安定供給のために、我が国でどの程度農産物を生産し、どの程度海外からの輸入に頼るかは、国家戦略として常に取り組んでいくべき課題である。
現在、世界各地において穀物価格は急騰している。要因として、世界的な人口増、バイオエタノール燃料への転用、農産物輸出国の天候不順、新興国における穀物需要の増加、穀物市場への投機マネーの流入、さらには原油価格上昇によるコストアップなどが理由としてあげられる。一方で、穀物の収穫面積は今後ほぼ横ばいでの推移、また単収の伸び率は低下していくことが見込まれる。我が国でも、今後安定的な価格で必要量を確保できるのかという不安が広がっている。
一方国内では、少子高齢化による生産者の減少、耕作放棄地の増大などにより、国内農業の衰退が懸念されている。国内農業の基盤強化は急務であるものの、国内生産のみで食料をすべて自給することは現実的ではない。
【問題意識】
食料が消費者の食卓まで届くまでには、生産の現場、加工・流通の現場、そ...