海外の証券市場を見る際に、先ずわれわれが重視するのはその市場規模である。株式市場の場合、通常それは「時価総額」で比較し、またその市場規模は世界全体において構成比の面でどの位かが資産配分においても検討される。時価総額が世界最大の市場はニューヨーク株式市場で、以下東京、ロンドン、フランクフルト、香港、シンガポール、シドニー、台湾の順位で続く。投資家からみても資金調達を行う企業からみても、常に注目される株式市場はニューヨーク株式市場であり、アメリカが最大の経済を引っ張る基幹産業の株式が上場された最大の市場だからである。ニューヨーク株式市場の値動きは、世界最大の経済であるアメリカ経済とその基礎的条件「ファンダメンタルズ」を反映している。ニューヨーク証券市場動向は、結果的にヨーロッパ、アジアの各市場の値動きにも陰に陽に影響、連動し証券投資を方向づける。また、値動きの点だけでなくアメリカがグローバル・スタンダード化を果たした結果、世界の金融に関わる人々や投資家に信頼の基礎を提示している。日々常に進歩を見せていることもあって、海外からその革新ぶりが注視される市場でもある。次いで、市場規模の大きさと国...