『美術嫌いになる原因を具体的事例からさぐり、楽しい・わかる・できる授業を通して好きにさせるための手立てを、学習指導要領の目標及び内容・方法と関連づけて述べなさい。』
幼い子どもたちの多くは絵を描くことが好きである。それがいつしか年を重ねるごとに絵を描くということが減っていく。小学校を卒業する頃には絵を描くことが嫌いになってしまっているということも少なくない。ではなぜ絵を描くことが嫌いになるのだろうか。美術嫌いはどうして生まれるのだろうか。
美術嫌いとなる原因として大きくわけて三種類あると思う。一つ目は、子どもの自由な表現活動が良いという教師の考えから、放任放縦している指導を受けたためである。よく言われている「自由に表現させればいい」などというのは大きな勘違いである。むしろ、それこそ美術嫌いになる原因である。そのとき子どもたちは「何を描いていいのかわからない」と悩み、描くことから遠ざかっていってしまうだろう。全くの自由はむしろ不自由である。
二つ目に、これも教師の大きな勘違いであるが、「知識や技能の指導をしてはいけない」などという指導を受けたためである。そのような指導をしていれば子ども...