第一章 はじめに
当論文の目的
この論文では、Linuxオペレーティングシステム(コンピュータ基本ソフトウェア)や、Linuxに関連する主要なソフトウェアの生産や配布の手段であるオープンソース方式に対するソフトウェア開発者の参加誘因を考察する。
併せて、オープンソースソフトウェアに見られる生産・配布の形態と、オープンソースソフトウェアが市場に認知されるようになった経緯を検証し、それを、オープンソース方式以外の方法によって生産・販売されるソフトウェアのケースと対比することにより、オープンソース方式の特異性や優位点を明らかにしていく。
そして、結論として、オープンソース方式が産業社会にもたらす影響や効果を導出し、確認する。
情報化社会とパーソナルコンピュータ
情報化社会、と呼ばれて久しい。とくに現代の情報化社会において重要な位置を占めているのがパーソナルコンピュータである。企業では一人一台、家庭では一家に一台の時代と言ってもよいだろう。また、パーソナルコンピュータでなくとも携帯電話端末によって電子メールや画像を交換するなど、他の機器がパーソナルコンピュータの機能を一部ではあるが代替するケースも出てきた。
現在広く利用されているパーソナルコンピュータの元となる機種は1980年代初頭に開発・販売された(注1)。とはいえ、それは市井の消費者が購入するにはまだまだ高価で、企業や大学といった大規模な主体が利用者の大部分を占めていた。また、パーソナルコンピュータが登場するまで主役だったコンピュータは、メインフレームと呼ばれる大型汎用機であり、こちらは、処理装置や記憶装置が大型で価格も極めて高価であり、なおいっそう大企業や大学、研究機関といった利用者層が主体であった。メインフレームは、パーソナルコンピュータが登場してもさらになおコンピュータ用途における主要な地位を保ち続ける。
オープンソースプロジェクト参加への誘因
‐
何が彼らを駆り立てるのか
慶應義塾大学通信教育部経済学部
学籍番号
91267443
藤田 靖
オープンソースプロジェクト参加への誘因‐何が彼らを駆り立てるのか
第一章 はじめに
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当論文の目的
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情報化社会とパーソナルコンピュータ
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4
インターネットがパーソナルコンピュータに与えたもの
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4
UNIX
の専門性
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