糖尿病に特有の症状としては、口渇、多飲多尿、倦怠感、体重減少などがあるが、高齢者ではこれらの症状に乏しく、むしろ、糖尿病性の網膜症、腎症、神経障害などの糖尿病の合併症状が自覚症状の中心となることが多い。
糖尿病の大部分を占める2型糖尿病に対しては、糖尿病治療の原則に従い、十分な食事療法と可能な範囲での運動療法を行う。これらで良好な血糖のコントロールが得られない場合のみ、経口血糖降下薬やインスリン注射が用いられるが、ともに低血糖の副作用をもつので、高齢者ではコントロールの基準をやや甘くして治療が進められる。
このように、生活習慣病を予防するためには、食事や適度な運動、飲酒、タバコなどを改善しなければならない。例えば、マラソンやウォーキング、ストレッチ、禁酒や禁煙、ヘルシア(カテキン茶)をとる、野菜を毎日とるなどで続けることが大切である。
しかし、それを実行することはとても難しいと言える。具体的には、食生活の欧米化(ファーストフードやパスタ)や外食など、豊かな食生活になり、現代人がよく食べる食事となっており、野菜を食べる習慣が少なくなってきているからである。また、マラソンやウォーキング、ストレッチなどの運動は、冬だと寒いからできないとか、単に疲れるからといった理由でなかなか続けることができない。禁酒や禁煙はも付き合いなどがあるとやめることができない。このような日常生活から、肥満や高脂血症や糖尿病などを発症させて動脈硬化を促進、さらには心臓病などをひきおこす原因となり、高齢者だけではなく自分自身の健康に影響を及ぼすのである。そうならないためには、上記で述べたことを実行することが重要になってくる。
生活習慣病について述べよ。
生活習慣病とは、食習慣、運動習慣、休養の取り方、嗜好(喫煙や飲酒)など、日常生活上の各側面における不健康な生活習慣が、その発症に関与する疾患郡のことをいう。
こうした生活習慣と、糖尿病や高血圧、高脂血症、さらには日本人の3大死因である、悪性新生物(がん)、脳血管障害、心臓病等
(詩人病と呼ばれていた)の発症との強い関連が明らかとなったこと、また、健康的な生活習慣を確立することにより疾病の発症を予防する「一次予防」の考え方を重視する観点から、1996(平成8)年に厚生労働省は、成人病の呼称を生活習慣病と改めた。
生活習慣病の概念は、これまで成人病対策として二次予防に重点をおいていた従来の対策に加え、生活習慣の改善をめざす一次予防対策を推進するために新たに導入したものである。したがって、さまざまな病気を生活習慣病という観点から捉えることが基本となり、各人が病気の予防に主体的に取り組むことをめざしているものである。
病気の予防対策には、健康を増進し、環境改善などにより、病気の発生そのものを予防する一次予防、病気を早期発見、早期治療する二次予防、そして病気...