平成元年の第六次学習指導要領の改訂では高等学校において、社会科ではなく、地理歴史科、公民科と二別された。この際、歴史
平成元年の第六次学習指導要領の改訂では高等学校において、社会科ではなく、地理歴史科、公民科と二別された。この際、歴史分野では、世界史が必修となり、指導要領にはその目標として、「我が国及び世界の形成の歴史的過程と生活・文化の地域的特色についての理解と認識を深め、国際社会に主体的に生きる民主的・平和的な国家・社会の一員として必要な自覚と資質を養う」と明記されている。また、高等学校日本史Bでは、「我が国の歴史を世界史的視野で認識させ、日本の文化と伝統の特色について理解させる」ことを、世界史Bでは、文化の多様性と現代世界の特質を広い視野から考察させ」という文言からも、国際理解と文化の総合的学習の重視が説かれている。このように、文化を中心とした歴史的思考力及び、国際人の養成に力点を置き、日本史においても、世界史においても科学的かつ実証的な歴史教育を行うことが目標とされた。日本史、世界史間の垣根を無くし、歴史を俯瞰してみることが重要であると考えられる。また、世界史選択者が少ない現状を背景に、高等学校では世界史が必修となった。これは進む国際化の中での世界史教育の重要性が指摘され、日本史教育において...