ガラスの動物園 2

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    「テネシー・ウイリアムズ作『ガラスの動物園』の主題について述べよ。」
    追憶の劇
    「ガラスの動物園」は追憶の劇である。通常の追想形式の劇や映画等の手法とは違う方法でウィリアムズはこの劇で追憶を表現している。
     通常、追憶とは過去の出来事が当時のそのままのかたちであらわれ、観客も過去の世界の入り込んで、一住民となってしまっていることがよくある。できごと自体は、たとえ過去のものであろうとも、そのできごとと同じ「時」の上に足場を置き、その流れにそって、そのままにえがいていく限り、過去の世界の住人になりきった観客にとっては、そこに生じる出来事は、全て目前のできごと、すなわち、「現在」の出来事の性格を備えている。「時」が後退したために、過去が、もとの位置で、そのまま「現在」になっていると言える。言い換えると、そのような追想形式は、過去の再現であって、過去が観客を、呼び寄せているのである。
     ところが、「ガラスの動物園」では、観客のもとへ、過去が、呼び寄せられてくる。これを可能にしたのが語り手でもあるトムの役割である。
    語り手トム
     この劇では、過去の話と現在の話の二つが繰り広げられているようである...

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