少年非行が凶悪化している。少年による衝撃的の事件が相次ぐ中で、このような認識が、すっかり社会に根付いている。保護を基調とする少年法が、少年審判における非行事実認定の一層の適正化が問題とされていく中、2000年12月6日、少年法の一部を改正する法律が公布された。ここでの主な内容は、①被害者等による記録の閲覧及び謄写②検察官及び弁護人たる付添人が関与した審理の導入③検察官に対する抗告権の付与等である。以下では②に着目し、少年審判における検察官関与について考察していく。この改正で②は、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪、その他死刑又は無期若しくは短期二年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪のものに...