(全人教育と自然尊重)
「自然」は私たちに多くのものを与えてくれている。生命の大切さ・尊さ・野や森・澄んだ空気・空などの美しさ、そこから生まれる安らぎや温かな心、「自然」は私たちにとって、なくてはならないものなのである。
人は美しい自然との触れ合いの中で人を学び、また人為の醜さも知ることができる。つまり、「自然」は「全人教育としての場」なのである。
全人教育としての場である自然の教育的意味は、どのようなことであるのだろうか。
草や木・花・土・日・月・水などの自然は、理科教育にとって無限の資料と暗示と機会を提供するものである。また、自然を愛することは心理を探究せしめ、美を愛することは、心理を探究せしめ、美を愛好していることなのである。そして、勤労(労作)を重んじることで剛健不墝の意思を鍛錬できるのである。
つまり、自然は真・善・美・聖・健・富の六つの価値を実現しようとする教育的環境だけではないのである。
「真」とは「学問教育」のことである。学問教育とは字のごとく、与える教育ではなく、「学ぶ」こと、掴ませる教育である。対象に興味を持ち、主体的な関わりができるようにすることが大切...