〔一〕次の文章を読み、後の問いに答えなさい。
三代の栄 一睡のうちにして、 大門の跡 一里こなたにあり。跡は田野になりて、金鶏山のみ形を残す。ま 高館にのぼれば、北上川南部より流るる大河なり。衣川は、和泉が城をめぐりて、高館の下に 大河に落ち入る。旧跡は、衣が関を隔てて南部口をさし固め、夷を防ぐと見えたり さても義臣すぐつてこの城にこもり、功名一時の叢となる 国破れて山河あり、城春にして草青みたりと、笠うち敷きて、時の移るま 涙を落とし侍りぬ。
A 夏草や兵どもが夢の跡
B 卯の花に兼房見ゆる白毛かな 曾良
かねて耳驚かしたる二堂開帳す。経堂は三将の像を残し、光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す 七宝散りうせて、珠の扉風に破れ、金の柱霜雪に朽ちて、既 頽廃空虚の叢となるべきを、四面新たに囲みて、甍を覆うて風雨をしのぐ しばらく千歳の記念とはなれり。
C 五月雨の降り残してや光堂
(『奥の細道』より。但し、問題の一部を書き換えている)
問一 傍線部①「三代」とは誰のことを指していますか。最も適当なものを一つ選びなさい。
㋐ ・ ・
㋑ ・ ・
㋒ ・ ・
㋓ ・ ・
㋔ ・ ・
問二 傍線部②「一睡のうち」という表現は、唐代の小説『枕中記』が典拠(=もとになった正しいよりどころのこと)となっています。もとの通り、正しい漢字に書き改めなさい(習っていない場合は、記憶の彼方に消し去りなさい)。
( )
問三 傍線部③「一里こなた」の現代語訳として、最も適当なものを一つ選びなさい。
㋐ 一里(約三・九三㎞)彼方
㋑ 一里(約三・九三㎞)手前
㋒ 一里(約三・九三㎞)近所
㋓ 一里(約三・九三㎞)正面
㋔ 一里(約三・九三㎞)以上
問四 傍線部④「高館」の読みを答えなさい。また、この「高館」は誰の居館ですか。人物名を答えなさい。
読み( ) 人物名( )
問五 傍線部⑤「大河に落ち入る」の現代語訳として、最も適当なものを一つ選びなさい。
㋐ 大河に流れこんで来る
㋑ 大河に落とし込んでいる
㋒ 大河にはならないでいる
㋓ 大河に落ちてしまいそうだ
㋔ 大河へと変わっていく
問六 傍線部⑥「さても義臣すぐつてこの城にこもり」について、
⑴ 現代語訳しなさい。
( )
⑵ 「この城」とは何を指していますか。文中より書き抜きなさい。
( )
問七 傍線部⑦「国破れて山河あり」の典拠となった作品名と作者として、正しい組み合わせを一つ選びなさい。
㋐ 作品名『王維』・作者「春夜」
㋑ 作品名『李白』・作者「春夜」
㋒ 作品名『李白』・作者「春望」
㋓ 作品名『杜甫』・作者「春望」
㋔ 作品名『杜甫』・作者「春暁」
問八 傍線部⑧「涙を落とし侍りぬ」について、
⑴ 「侍り」の敬語の種類を答えなさい。また、誰から誰への敬意であるかもあわせて答えなさい。
敬語の種類( ) 敬意( )から( )へ。
⑵ 「ぬ」の用法と活用形を答えなさい。
用法( ) 活用形( )
問九 Aの句の季語と季節と切れ字を答えなさい。
季語( ) 季節( ) 切れ字( )
問十 Bの句について、
⑴ 季語と季節と切れ字を答えなさい。
〔一〕次の文章を読み、後の問いに答えなさい。
三代の栄 一睡のうちにして、 大門の跡 一里こなたにあり。跡は田野になりて、金鶏山のみ形を残す。ま 高館にのぼれば、北上川南部より流るる大河なり。衣川は、和泉が城をめぐりて、高館の下に 大河に落ち入る。旧跡は、衣が関を隔てて南部口をさし固め、夷を防ぐと見えたり さても義臣すぐつてこの城にこもり、功名一時の叢となる 国破れて山河あり、城春にして草青みたりと、笠うち敷きて、時の移るま 涙を落とし侍りぬ。
A 夏草や兵どもが夢の跡
B 卯の花に兼房見ゆる白毛かな 曾良
かねて耳驚かしたる二堂開帳す。経堂は三将の像を残し、光堂は三代の棺を納め、三尊の仏を安置す 七宝散りうせて、珠の扉風に破れ、金の柱霜雪に朽ちて、既 頽廃空虚の叢となるべきを、四面新たに囲みて、甍を覆うて風雨をしのぐ しばらく千歳の記念とはなれり。
C 五月雨の降り残してや光堂
(『奥の細道』より。但し、問題の一部を書き換えている)
問一 傍線部①「三代」とは誰のことを指していますか。最も適当なものを一つ選びなさい。
㋐ ・ ・
㋑ ・ ・
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