国際障害分類(ICIDH)と国際生活機能分類(ICF)、この二つの分類を中心に、障害の概念を以下に述べる。
ICIDHは図1のように「病気やけがの諸帰結」を整理したものである。病気・けがが「顕在化」したものが機能障害(あるいは機能・形態障害、インペアメント)、そのために実際の生活の中での活動能力が制約されることが能力障害(あるいは能力低下、ディスアビリティ)、さらにそのために通常の社会的役割を果たせなくなることが社会的不利(ハンディキャップ)とされる。機能・形態障害は、障害の一次的レベルであり、直接疾患(外傷を含む)から生じてくる。障害を治療により治すという考え方で、社会への適応としてリハビリテーションや保険・福祉の充実が重要であるという医学モデルと、障害は個性であり、社会側の改善と人権問題の解決であるという社会モデルとしての捉え方が強かった。つまり、障害をマイナスイメージとして、その障害をなくすためには、個人の影響力が関係しており、その障害を治していく、いかにマイナス面を補うか、というものであった。そのため、障害は疾病または変調により、機能障害が起こり、それにより、歩くことができ...