刑法39条、刑事訴訟法167条などに心神に関する規定があるが、これらは、心神失状態や心神耗弱状態で刑を免除したり減刑したりするのは、精神上の病気で善悪の区別や、そもそも自分が一体何をしているのかすらわからない人の行為について、たとえそれが犯罪であったとしても、そのまま刑罰を科すのはあまりにも酷なのではないか、というような考え方から来ている。
裁判法基礎Ⅰ レポート課題
―栃木兄弟誘拐殺人事件について―
栃木県小山市で2004年9月、4歳と3歳の兄弟が川に投げ入れられ殺害された事件で、被告は殺人罪と覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われているが、ここで弁護人は薬物使用による心神衰弱を主張している。起訴状によると、下山被告は9月12日午前1時半ごろ、自宅アパートで同居していた塗装工小林保徳被告(41)=覚せい剤取締法違反罪で実刑、控訴=の二男一斗ちゃん(4つ)と三男隼人ちゃん(3つ)の兄弟を小山市内の橋から川に投げ入れ、水死させた。また同月10日ごろ、自宅で覚せい剤を使用した。
ここで問題提起として、『弁護人は心神衰弱を主張した...