高齢者の病気の特徴は、正常との境界が不明瞭であることから、発見が遅れ重篤、慢性化につながるケースが見られる。また、薬の作用についても、若年層とは異なった効果を見せることも特徴である。また、高齢者においてみられる代表的な病気は次のようなものが挙げられる。
まず、脳血管障害である。脳梗塞や脳出血により、脳の組織が障害をうける病気を総称して、脳血管障害といい、それによっておきる病気を総称して脳卒中と呼ぶ。脳血管障害は、がん、心臓病についで日本人の死亡原因の第3位であり、寝たきりの人の約40%が脳血管障害によるものである。
つぎに認知症についてみると、認知症は一度獲得された知能が何らかの原因によ...