生涯学習の推進体制と課題について述べよ。
⑴生涯学習の推進体制について
文部科学省(旧文部省)は、昭和63年に生涯学習局を設置し、平成2年に制定した「生涯学習復興法」や同法の規定により設置された生涯学習審議会の答申等に基づき、生涯学習社会の実施に向けた基盤装備に努めた。(平成13年の省庁再編に伴い、生涯学習分科会として設置)そして、都道府県においては、条例により生涯学習担当部局を設置し、更に生涯学習審議会生涯学習審議会の設置が進められ、生涯学習復興のための中期的な基本計画や基本構想を指定市町村においては、以下の様に推進する方向性を打ち出せる体制を整えつつある。
①都道府県教育委員会の事業;学習機会の提供、学習機会に関する情報の収集・整理・提供、学習需要等に関する調査研究、指導者等の研修、関係機関・団体への援助など。➁地域生涯学習振興基本構想;都道府県は、特定の地区において、民間事業者の能力を活用しつつ学習機会の総合的な提供を行うことに関する基本的な構想(地域生涯学習振興基本構想)を作成することができる。 (2)地方公共団体における行政組織等の整備
①生涯学習担当部局の設置;すべての都道府県に生涯学習担当部局を設置。➁生涯学習審議会;生涯学習振興法に基づき、各都道府県において生涯学習審議会の設置が進められており、平成16年6月現在、38都道府県が設置。➂生涯学習振興計画;各地域の生涯学習振興の拠点施設として、学習情報の提供や学習相談、学習需要の把握、学習プログラムの開発等を行う生涯学習推進センターの整備が進められており、平成16年6月現在、38都道府県(45ヶ所)、9指定都市(22ヶ所)が設置。④生涯学習推進センター;各地域の生涯学習振興の拠点施設として、学習情報の提供や学習相談、学習需要の把握、学習プログラムの開発等を行う生涯学習推進センターの整備が進められており、平成16年6月現在、38都道府県(45ヶ所)、9指定都市(22ヶ所)が設置。➄生涯学習都市宣言;市町村では、自らの都市を生涯学習の推進する都市として宣言する市町村が増加しており、平成16年現在、170市町村が宣言。⑥全国生涯学習市町村協議会;生涯学習によるまちづくりを推進する自治体間ネットワーク組織。住民が主役の生涯学習行政の発展に寄与することを目的に、会員相互間の連携を深め、生涯学習に係る政策研究と情報交換を進めるための場として平成11年11月に設立。平成16年4月現在、210市町村が加盟(会長:静岡県掛川市長)。 ⑶今後の課題
国・都道府県・市町村の行政機関等では、
それぞれの行政目的に従い、教育・スポー
ツ・文化、健康、職業能力開発等の学習機会を提供し、学習の場を整備するなどの施策を行っている。今後、人々の高度化・多様化する学習需要に対応し、生涯学習を総合的に推進していくためには、それぞれの施策を充実するとともに、相互の連携・協力を図ることが重要である。このため、国・都道府県・市町村において、生涯学習の各種施策の連絡調整を図る組織を整備することが必要と考えられる。
①国における連絡調整組織;国においては、
教育・スポーツ・文化等に関する生涯学習の推進のための重要事項や、文部省と関係省庁の諸施策に関し、連絡調整を要するものなどについて調査審議を行う組織の設置について検討する必要がある。この組織は、教育・スポーツ・文化等の学識経験者等で構成し、運営に当たっては、地方公共団体等の意見も反映されるように留意する必要がある。➁都道府県市町村における連絡調整組織;すべてに生涯学習推進のため
生涯学習の推進体制と課題について述べよ。
⑴生涯学習の推進体制について
文部科学省(旧文部省)は、昭和63年に生涯学習局を設置し、平成2年に制定した「生涯学習復興法」や同法の規定により設置された生涯学習審議会の答申等に基づき、生涯学習社会の実施に向けた基盤装備に努めた。(平成13年の省庁再編に伴い、生涯学習分科会として設置)そして、都道府県においては、条例により生涯学習担当部局を設置し、更に生涯学習審議会生涯学習審議会の設置が進められ、生涯学習復興のための中期的な基本計画や基本構想を指定市町村においては、以下の様に推進する方向性を打ち出せる体制を整えつつある。
①都道府県教育委員会の事業;学習機会の提供、学習機会に関する情報の収集・整理・提供、学習需要等に関する調査研究、指導者等の研修、関係機関・団体への援助など。➁地域生涯学習振興基本構想;都道府県は、特定の地区において、民間事業者の能力を活用しつつ学習機会の総合的な提供を行うことに関する基本的な構想(地域生涯学習振興基本構想)を作成することができる。 (2)地方公共団体における行政組織等の整備
①生涯学習担当部局の設置;すべての都...