えくぼのある、太った白い蜘蛛が、
白いウツボグサの上で、かたく白いサテンの切れ端のような
一匹の蛾を捧げ持っていた。
死と胴枯れの一揃いの登場人物たちが寄せ集められて、
気持ちよく朝を迎えようと、まるで
魔女の雑炊の材料のように、混ぜ合わされていた―――
マツユキソウのような蜘蛛と、泡のような花、
そして紙凧のように持ち上げられた、死んだ羽。
道端の青い無心な万病草―――あの花が、
何のつもりで真っ白に咲いていたのだろう。
一体何が、あの同類の蜘蛛をあの高みに連れて行き、
それから夜のうちに、あの白い蛾をそこへおびきよせたのか。
無論、ぞっとさせようという暗黒の意図だろう―――
もしこんな小さなことにでも意図があるとしたら。
この詩はabba、abba、abaabbの韻律で構成された、8連+6連のソネット形式を取るものであるが、伝統的なソネット形式の詩ではない。伝統的ソネットは基本的に愛を歌う詩であったのを、20世紀からソネット形式は捩って扱われるようになっており、この詩にもそのようなフロストの遊び心がうかがえる。一見保守的なソネットのように見えるこの詩は、恋愛中心の伝統的ソネットに自由な内容を組み合わせたものであり、また特に詩の後半でソネットのリズムが破られている。こうして詩の内容、構成を自由に変化させたこの詩は、フロスト流モダニズム形式の新しい詩だと言うことができよう。詩の内容としては、‘Design’というタイトルからもイメージできるように、暗示的なものであり、一貫して暗い死のイメージが付きまとうものである。同じように自然を歌っても、自然との一体化を歌うロマン主義とは対照的な「死」のイメージを含んだ自然というテーマを歌っているところにも伝統的ソネット形式から抜け出した20世紀モダニズムのソネットらしさが表れていると言えるだろう。
Design
(意図)
えくぼのある、太った白い蜘蛛が、
白いウツボグサの上で、かたく白いサテンの切れ端のような
一匹の蛾を捧げ持っていた。
死と胴枯れの一揃いの登場人物たちが寄せ集められて、
気持ちよく朝を迎えようと、まるで
魔女の雑炊の材料のように、混ぜ合わされていた―――
マツユキソウのような蜘蛛と、泡のような花、
そして紙凧のように持ち上げられた、死んだ羽。
道端の青い無心な万病草―――あの花が、
何のつもりで真っ白に咲いていたのだろう。
一体何が、あの同類の蜘蛛をあの高みに連れて行き、
それから夜のうちに、あの白い蛾をそこへおびきよせたのか。
無論、ぞっとさせようという暗黒の意図だろう―――
もしこんな小さなことにでも意図があるとしたら。
この詩はabba、abba、abaabbの韻律で構成された、8連+6連のソネット形式を取るものであるが、伝統的なソネット形式の詩ではない。伝統的ソネットは基本的に愛を歌う詩であったのを、20世紀からソネット形式は捩って扱われるようになっており、この詩にもそのようなフロストの遊び心がうかがえる。一見保守的なソネットのように見えるこの詩は、恋愛...