*会社設立における見せ金による株式払込の効力
見せ金とは、株式会社の設立又は新株の発行に際して、発起人等が払込取扱銀行以外の第三者から借財して株式の払込金に充て、設立等の登記完了後に引き出して借財の弁済に充て、株式の払込を仮装することである。見せ金における裁判事例としては、最判38年12月6日の判例を挙げることができるが、そこでの論点は仮装手段としての見せ金による株式払込の効力の有無であった。
現行法上での学説では、見せ金に関する効力に至っては預合の類推適用による解釈となっており、その意見は分かれている。すなわち、見せ金を有効であるとする説と無効であるとする説に二分される。見せ金を有効である...