「mixiにみる個人情報開示」
私が本格的にインターネットを始めたのは、2000年頃からであった。その当時は友人をみてもインターネットをしているのはほんの数名であった。当時は地域差こそあれ今ほどインターネットのインフラは普及しておらず、電話回線が主流であった。携帯電話を用いたインターネットに関しても1999年2月にドコモがiモードのサービスを始めたばかりという段階であり、今ほどの普及はみせていなかった。
そういった流れの「ブログ」は2002年頃から急速に発展してきた。私自身の実感として「ブログ」という言葉を認識するようになったのは2003年頃だったように思う。当時の私の認識は(これは現在も大して変わっていないが)「ブログ」=「日記」といったものであった。自分で本格的に「ブログ」を運用した経験はないが、友人や知人の「ブログ」、また芸能人や有名人の「ブログ」を閲覧する機会は次第に多くになっていった。
続いて今回のテーマである「自己情報」について話を移していきたい。現在の状況を語る前にもう一度私がインターネットを始めたばかりの頃について論じてみたい。
2002年当時はもちろん「ブログ」という形態はなく、電子媒体を通じて自身の情報を発信する主な場は「メール」、「掲示板」、「ホームページ」といったものであった。(これらについては現在も大きくは変わっていない)
「メール」については通常ウィルスなどの感染を危惧しながらするということはないので、個人情報についてかかれることも多かったが、「掲示板」や「ホームページ」に関しては状況は大きく違う。基本的に不特定多数が見る可能性があるものであるが故、本名や個人情報を書くといったことはご法度である。名前には「ハンドルネーム」と呼ばれる偽名を用い、その他の身近な話題について触れるときは伏字を使ったりぼかしてかいたりしていた。
一方、現在においてはどうだろうか。一般的に掲示板などでの「ハンドルネーム」の文化は未だに健在であるが、大きく変わったのは「ブログ」の存在、特に私が今回特化して論じたい「mixi」の存在である。
mixiは2004年2月にサービスが始まったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)である。一言といえば、個々のブログの集合体のようなものであり、それぞれが友人同士の間でリンクで結ばれている。
ただSNSが従来のブログと大きく異なる点は「会員制」であることである。既に会員登録しているユーザーから「招待」を受けないと利用することができないのである。これはユーザーの素性を明らかにし、健全で安心感のある場を提供するためだという。
またもう一つの大きな特徴は旧来の友人知人とリンクをするために「本名公開」が推奨されている点である。(後述の通り、除々に変わりつつあるが)この名前を見て友人たちと結びつき、輪を広げていこうというのである。
当初、私がこのシステムをみたときには度肝を抜かれた。もちろんSNSというもの自体が初体験であり、そのシステム自体にも驚いたが、それ以上に驚いたのが「本名公開」についてであった。ハンドルネームのようなもので代用している人もいたが、本名を少しかえたものや(漢字をひらがなにしたり)本名公開をしている人も多かった。
mixiの個人情報開示傾向はもちろん事務局側のこうした働きかけにも要因があると思われるが、mixi利用者数の爆発的増加それ自体にも要因があると私は考えている。利用者数は2006年10月現在で520万人。年齢別の割合をみると20~24歳が33.8%、25~29歳が28.4%、30
「mixiにみる個人情報開示」
私が本格的にインターネットを始めたのは、2000年頃からであった。その当時は友人をみてもインターネットをしているのはほんの数名であった。当時は地域差こそあれ今ほどインターネットのインフラは普及しておらず、電話回線が主流であった。携帯電話を用いたインターネットに関しても1999年2月にドコモがiモードのサービスを始めたばかりという段階であり、今ほどの普及はみせていなかった。
そういった流れの「ブログ」は2002年頃から急速に発展してきた。私自身の実感として「ブログ」という言葉を認識するようになったのは2003年頃だったように思う。当時の私の認識は(これは現在も大して変わっていないが)「ブログ」=「日記」といったものであった。自分で本格的に「ブログ」を運用した経験はないが、友人や知人の「ブログ」、また芸能人や有名人の「ブログ」を閲覧する機会は次第に多くになっていった。
続いて今回のテーマである「自己情報」について話を移していきたい。現在の状況を語る前にもう一度私がインターネットを始めたばかりの頃について論じてみたい。
2002年当時はもちろん「ブログ」とい...