玉川大学通信教育課程学芸員コースの「博物館展示論」の課題(第2分冊)です。
東京都庭園美術館(訪問日:7月20日)
蜷川美花 瞬く光の庭
本展示の評価について、結論から述べると展示室内の解説に関しては取り立てて評価できる部分は見当たらなかったが、補助的な解説の方法などがとても素晴らしかった。
そこで、本稿では展示室内やパンフレットなど、入館すれば誰でも見る機会のあるものを「メイン解説」、その他の任意で得ることのできる解説方法を「サブ解説」としそれぞれについて評価を行う。
まず簡単にではあるが、本展示の会場である東京都庭園美術館(以下、庭園美術館)について紹介する。
庭園美術館は、1933年に建設されたアール・デコ様式の旧朝香宮邸の建物の空間及び庭園を活用し、様々な展覧会を行う美術館である。展示は、建築及び庭園がいわば常設展、展示内容が企画展といったような形式となっており、建築及び庭園と展示作品との関係は切り離すことができない。そのため、本稿では「展示」「建築」の両面から解説方法について考察を行うこととする。
【メイン解説】
<展示室内のキャプションについて>
本展示は、冒頭でも述べた通り建築と展示作品はセットである。蜷川自身もそのことは意識しており、室内...