関係行政論 評価Aレポートです。
心理に関する支援における法律と倫理の関係性について、秘密の保持の伴う倫理的葛藤を踏まえて、具体的な事例をまじえながら述べよ。
関係行政論 評価Aレポート
心理に関する支援における法律と倫理の関係性について、秘密の保持の伴う倫理的葛藤を踏まえて、具体的な事例をまじえながら述べよ。
Ⅰ.はじめに
日本の心理専門職の国家資格化は、2015年9月の「公認心理師法」の制定・公布により実現し、2017年9月に全面的に施行された。他にも、心理に関する支援における法律には、日本国憲法をはじめとする多くの法律が関係する。そして支援者側が要支援者を理解しサポートしていく上で、リソースの基盤である様々な法律の把握が必要である。倫理に関しては、日本心理臨床学会倫理綱領、日本臨床心理士会倫理綱領、日本公認心理師協会倫理綱領や臨床心理士倫理綱領等がある。これらに共通する項目として秘密保持があり、支援者側にとって重要な事項だが、倫理的葛藤を伴うケースも多くある。以下では、秘密保持に伴う倫理的葛藤が生じる状況を述べ、法律と倫理の関係性について論じる。
Ⅱ.秘密保持の伴う倫理的葛藤が生じる状況
1.タラソフ事件から
1969年10月にアメリカで、タラソフという女性が男性の精神病者に殺害される事件があった。男性を治療していたムーア博士は、...