Xは、離婚原因(770条1項)に基づき、Yに対し、離婚請求をしている。本件離婚請求は認容されるかが問題となる。
1 まず、Xの、Yの気の強さと潔癖症とまがうほどのきれい好きに、XはYとの生活に嫌気がさしてきていたという離婚原因が民法770条1項各号に当たり、認容されないか。
(1) これについて、770条1号ないし4号所定の事由は認められない。そうだとしても、その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき(同項5号)に当たり、認容されないか。これは、抽象的な一般的破たん条項であるところ、Xの実際に生活してみるとYの気の強さと潔癖症とまがうほどのきれい好きだったという上記離婚原因は、離婚を継続し難い著しい性格不一致であるといえると解する。
(2) また、770条1項5号に基づく請求には、同条2項の制限は及ばない。
2 もっとも、Xは職場でA女と知り合い次第に恋愛関係に入り、平成16年3月からはXとAは同棲を開始しており、有責性がある。そこで、①有責配偶者からの離婚請求と信義則違反、②有責配偶者からの離婚請求を長期間の別居などを理由として認容すべきかが問題となる。
(1) まず、判例(最高裁...