このレポートは、聖徳大学通信教育課程・科目「女性と子どもⅠ」にて、すでに合格をいただいたものです。
2022年度課題。
〈課題名〉
「風葬の教室」に描かれた、少女の心理といじめの集団心理に注目して作品を論じなさい。
〈評価〉
S
〈講評〉
山田詠美の「風葬の教室」について、主人公の杏の心理といじめの構造を、きちんと丁寧に読み取り、分析している点がとてもよかった。そして、幼い杏が、自殺せず「生きる力」をどうやって得たのかについて、鋭く分析できています。
〈参考文献〉
書名:蝶々の纏足 風葬の教室
著者名:山田詠美
出版社:新潮文庫
発行年月日:平成9年3月1日
第2課題 第1設題
いじめはいつの世の中においても、どんな世代にも起こりうることです。子どもの頃だけだと思っていましたが、最近では老人ホームでも利用者同士のいじめがあると聞きます。本宮杏は転校には慣れていたとのことですが、どの学校においても好奇の目にさらされ、注目されてきたのだと思います。新しいものや自分と違うものを、人間は敬遠しがちです。本宮杏は最初からいじめられるかもしれないという覚悟はあったと思います。それでも立ち向かわなければいけないと強く思っていたように感じます。気に入られるように、みんなと同じようにと意識し、精神的にはそれだけでもつらいでしょう。心のどこかでは新しい友達ができる...