日本大学 通信「イギリス文学史I(科目コード N20100)」課題1 (2019年度〜2022年度)の合格レポートとなります。
なかなか合格できない方々に参考にして頂ければと思います。
・課題は2番を選択しています。
課題
次の中から 1 問を選択し,番号に必ず〇印を付けて答えなさい。論述は日本語 で述べ,固有名詞と作品名は英語(人名は初出は full name)で書き,作品名には 下線を引くこと。
1 Anglo - Saxon English の歴史について説明し,その時代の代表的詩歌につい てその成立の経緯と特質を論述しなさい。
2 中世英文学において代表的な作家 5 人を取り上げて,彼らの生涯,代表作および文学史上の重要性を論述しなさい。
一人目に、William Langlandを挙げる。彼は、修道院の学校で教育を受けて下級僧侶となる。ロンドンに妻と娘達と一緒に住んでいたが、とても貧しかったため乞食坊主や葬式に弔歌を歌って生計を立てていた。彼の代表作は”The Vision of William concerning Piers Plowman”である。
この作品は、3回にわたって増補改訂されており、現在一般の版本となっているのは2回目に増補改定されたText Bである。中世時代の世界観が書かれ、封建社会が徐々に崩壊していく14世紀後半当時の法曹界や宗教界に対する風刺を描写している。ただし、その腐敗を論じたり暴露したりするだけで、変革すべきだといった内容の主張はしておらず社会救済の唯一の方法としてまじめな勤労とキリストに仕えることを示している。彼は民衆詩人として当時は難解な作品が多い中、きわめて平易な文章で執筆されており、一般民衆の心にも響くものもあり、最初の民衆詩として愛読され宗教改革の契機に繋がるなど文学史に多大な影響を与えた。
二人目に、Geoffrey of Monmouthを挙げる。彼は12世紀頃の修道僧であ...