熱伝導
熱伝導(ねつでんどう、英語: thermal
conduction)は、固体または静止している流体の内部において高温側から低温側へ熱が伝わる伝熱
現象。
熱力学第二法則により熱は必ず高温側から低温側に向かう。
金属においては、
・結晶格子間を伝わる振動(フォノン・格子振動)としてのエネルギー伝達
・伝導電子に基づくエネルギー伝達
の2つの機構があるものと考えられており、電気の良導体は熱の良導体でもある(ヴィーデマン=
フランツ則)。
通常の物質では伝導電子による寄与の方が大きいので、金属は半導体や絶縁体(フォノンが主要な
熱伝導の担い手)よりも熱伝導性が良い。しかし、非常に硬いダイヤモンドではフォノンを介した
熱伝導性の寄与の方が非常に大きくなる。
固体金属以外では、熱伝導性はその他の固体、液体、気体の順に悪くなる。
なお、固体と運動している流体の間の伝熱現象は熱伝達(convective heat transfer)という。
熱の移動と物質移動(拡散)や電気伝導にはアナロジーが成り立つために化学工学では、伝熱や物
質移動を扱う分野を移動現象論と呼んで、類似の取り扱いをする。
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